魂のキズ:部活と頭痛編

症例

これは、とある中学生のお話です。

頭痛を主訴に初診患者として来院されました。

この日は、私の外来日ではなかったのですが私の相棒医師の外来があまりに混んでいて初診患者さんを診ることができないので私に診察依頼が来たのです。

主訴:頭痛

いろいろと頭痛の発症様式や頭痛の場所や持続、頻度、頭痛の性質や強さなどをしつこく聞いていきました。頭痛は、起こったり治ったりを繰り返しています。どう見ても器質的な異常があるとは考えられないのです。

診察をしても神経学的な異常もありません。学校でいじめにあってもいない友達関係も問題もない家庭での問題もない。

そこで、私は尋ねました。

『学校に行くのは楽しいですか?』

『うん? どうしました?』

すると、思いだしたようにお母さんが

「部活が好きじゃないんです。」

『??』

そこで、詳しい話を伺ってみました。

このお子さんは小学校の時にはあるスポーツをしていたそうですが中学校になって、何か部活動に所属して卒業まで継続する必要があるとのことでそれまで好きでやってきたスポーツを辞めて、学校で別のスポーツをすることにしました。それは、仲の良い友達がその部活に入ったから一緒に入ったという経緯でした。しかし、入ったものの自分には馴染まなくてどうしても好きになれなくて辞めたいと思っているようでした。

しかし、そのことをお父さんに話すと「一度やりだしたことは、途中で止めるべきではない!」

と言い張って辞めさせてくれません。学校側としても、部活動を途中で辞めると高校入試の時の内申評価が下がるということらしい。お父さんは、体育会系の人で本当に頑固で理解を示してくれないのでその子は、大きなストレスを感じていました。ですから、学校の授業が終わり部活が始まる前になると緊張し気分が落ち込みストレスを感じていました。毎日の生活の中、このことが繰り返し、繰り返しストレスを形成していきます。これが “頭痛の原因” にならないはずはありません。この時点で、すでに30分くらい診察をしていました。

ここから、さらにどうやって気持ちを切り替えていくかお話をしていくことになります。

『この子の頭痛の原因は部活が嫌だということが毎日繰り返されることで魂にキズがついていきます。そして、それが体に “頭痛”という痛みとなって表現されるのです。ですから、脳の精密な検査をしても異常は見つからないでしょうし薬を飲ませても決して治ることはないと思います。もちろん、確認のため鑑別診断のためにMRIなどの検査をすることは必要かもしれませんが今すぐでなくても良いと思います。まずは、頭痛の原因は魂のキズなのですからそのキズをどうやったら癒せるかよく考えてみる必要があります。

本当に、その部活を辞めないほうが良いのか。内申が悪くなったらいけないのか。もちろん、お父さんが言われることも正しいとは思いますが頭が痛くなるほど悩まれている子供さんを守ってあげるのは親ではないでしょうか。特にお母さんは、守ってあげる必要があります。内申が悪くなってもいいじゃないですか。その分、勉強で取り戻すんだという頑張りも必要かもしれません。ご家族みんなでよく話し合う必要があると思います。

他にも、まだたくさんのことを話しました。結局1時間くらい診察していたのです。その話の中で今日は、私の外来診察日ではなくたまたま、外来が混んでいてもう一人の脳外科医の診察が受けられなかったから私が診察することになりました。

しかし、これは偶然ではなく明らかに “必然” としてこの子が私を “引き寄せた” のです。今日、もしもう一人の脳外科医が診察していたとしたらこんなに長く診察もしなかったしこんな “魂” のお話もしなかったはずです。ですから、ご家族で神から与えられたチャンスだと思ってこの子のことを愛を持って考てあげてくださいね。

一応、頭痛薬はお守りとして処方しましたが可能な限り飲まないように指導して診察を終わりました。今回は、外来受診時に頭痛が起こっているわけではなかったのでエネルギー治療は実施いたしませんでしたが受診時に頭痛があるようならそのままエネルギー治療に移行したと思います。

私の初診外来は大変時間がかかりますが、人の魂に触れる診察をしようとするならばそれは当然のことだと私は思っております。

<カンツバキザクラ:松山市>

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