神は見ている!

てんかん

今日は、私が夢で見たお話をいたします。

その子供さんは、当時遠い異国の地の高校生でした。

学校のある部活に参加していましたがその顧問の先生の指導が大変厳しいと言いますか体罰が

ひどくて、なんとかやめたかったのですがどうしても色々な理由からやめられませんでした。

そんな、ある日の部活動中に意識消失の発作を起こしてしまいました。

そうしたところ、救急車が来てとある病院に運ばれました。

そして、MRI検査や脳波検査の結果 ”てんかん”という診断が下されてしまったのです。

それからというものはてんかんの薬を内服しなければならなくなりました。

薬は飲みたくありませんがでも、飲まなければお母さんも心配しますし、

飲まなければてんかんの発作がまた起っては大変だからとお母さんも一生懸命に飲むのを確認

します。部活でも何度か”てんかん”の発作を繰り返しました。

でもそのおかげで、体罰も受けずに済みました。

 

そうしているうちに高校も卒業しました。

就職もして車も運転するようになりました。

あなたもよくご存知でしょう。車の運転中にてんかんの発作が起こり大変な事故になったケースを。

テレビで何度も問題にされています。

脳外科の外来診察でもしばしば問題になります。

”てんかん”の診断がついていても2年間発作が一度も起っていなければ運転することが可能です。

2種免許については許可されません。

この子の場合にも発作がなかったので運転は可能だったのですが実際には、免許取得の時にも

免許更新の時にも”てんかん”の診断を隠していたそうです。

さらに、時は過ぎて20年ほど経った時転勤のため前医の紹介状を持って私の外来を初診する

ことになりました。

私は、その医師の指示に従って抗てんかん薬を処方しましたがコントロールとして脳波は取ら

せていただきました。

しかし、薬をきちんと内服しててんかん発作もなければ正常脳波でもおかしくはありません。

外来には、きちんと薬を取りに来られていました。

私は、折に触れてんかん薬は妊娠したら奇形を出産する確率が高くなるので今の薬ではない薬

に変更したり調整が必要になるかもというお話をしておりました。

 

そして、さらに1年近く経ったある日彼女は、とんでも無いことを告白したのでした。

彼女はすでに30余歳になっていました。

「私は、近々結婚することになりました。」

『そうですか。それは、良かったですね。おめでとうございます。』

「でも、悩んでいることがあります。」

『何ですか。何でも言ってもらえば相談に乗りますよ。』

「はい、ありがとうございます。実は、私は”てんかん”ではありません。」

『えっ!どうして、そんなことがわかるのですか?』

「はい。高校生の時、私は部活の指導教諭がひどい体罰を加えるのがいやで、恐ろしくて何と

かその部活をやめたかったのですがどうしても言い出せなかったため部活中に”意識がなくなっ

たふり”をしました。そしたら、救急車で病院に運ばれてそこの先生に、”てんかん”と診断され

たのです。」

『でも、脳波検査もしたでしょう。』

「はい、しましたが、その先生は意識を失って倒れたんだからてんかん発作以外にはないん

だ! 薬はきちんと飲まないとダメだ!]

と、ひどく怒鳴られました。それで、ますます、”てんかん”のふりを続けるしかなくなりまし

た。学校で、何度か”てんかん”のふりをして意識を失う演技をしました。

それで、部活は止めることができたのです。

でも、今回、結婚が決まって先生(私)から、今飲んでいる抗てんかん薬は、もし妊娠したら

奇形が生まれる確率が高くなると聞いていたので、怖くなりました。てんかんの薬は、止めた

いのですが。」

『そうですか。医学的には、今回もあなたが”嘘”をついているかもしれないと考える必要もあ

ります。しかし、実際には薬の内服をほとんどしていないということは事実と考えて、このま

ま薬を内服中止とし、車の運転もあなたが言っていることを信用して経過を見れば、あなたが

自分の命を危険にさらすことになります。そこまで嘘をついてまでするとは考えにくいですよ

ね。

それに、部活の担任の先生が最も、よろしくないしさらに悪かったのは”てんかん”と決めつけ

てしまった医師ですね。

あなたのついた”嘘”のために、あなたは、結局自分がずいぶん辛い思いをしましたね。』

。。。

。。。

彼女は、うつむいたままで

大粒の涙を

ポロポロと落としながら

「ほんとうに。。。すみませんでした。

。。。

どうしたらよいのでしょうか。」

『高校生のあなたにとって当時は一人で思い悩んでいたんですね。

辛かったですね。どうして、ご両親に相談しなかったのですか?』

「はい。母と父は、家庭内離婚のような感じで父は母とは、食事も別に食べていて

とても相談するような状況ではありませんでした。」

『そうですか。”てんかん”の診断をつけた医師の責任も重いと思います。

診断にあたってはまず、”意識消失発作”が起こった状況を詳しく聞いくことが非常に重要です

し1回だけの発作を持って”てんかん”の診断をつけたのはまずかったですね。

それからも、発作は学校にいる間しか起こってなかった、というか、あなたは学校にいるとき

にしか演技をしなかったはずです。』

「はい。」

『”てんかん”の鑑別診断には医師として常に心因性反応や詐病(病気を偽って演ずる)のこと

を念頭におくべきだったのにそれをしなかった医師の責任は大きい。

そして、あなたやお母さんの前で怒鳴り散らして”てんかん”の診断を押し付けてしまいまし

た。あなたは、その医師とコミュニケーションを取りづらくなってしまいました。

そして、”てんかん発作”が、あなたの演技であると言えなくなりました。』

 

「はい、私は、先生(私)にだったらなんでも話ができると思い今日、やってきました。」

『ありがとうございます。今日は、本当に良かったですね。

20年近くもずっと演技をし続けることがどんなに苦しかったか私には想像もできませんが

辛かったですね。

でも、このことはきちんとお母さんにも、そして婚約者の男性にも話さなければならないと思

いますよ。』

「そのことも、今悩んでいます。彼も私の家に挨拶に来ました。私もあちらの家に挨拶に行き

ましたが、”てんかん”の診断がついていることも薬を飲んでいることも

そして”てんかん”のふりをしていたこともすべて内緒にしています。

言ってしまうと破談になるのではないかと非常に不安になります。」

『彼は初めての恋愛相手なのですか?』

「はい、そうです。」

『そうですか。

あなたは、今、正直に話をしなければもう一度、”嘘”をつくことになるのですよ。

そして、これからもそれを隠すためにどんどん嘘をつかなければならなくなります。

お母さんは、”てんかん”と思っているのですからもし、妊娠したら薬を飲んでいることも

心配でしょうし、また問題が起こりますよ。

神様は、あなたに今回、チャンスをくれたのですよ。』

相変わらず彼女は、ポロポロと涙を流しています。

『前医のところから私のところに転院してきたことも必然でした。

そして、今回あなたが結婚することになったのも必然性を持っています。

神様は見ています。

あなたは、チャンスを与えられていますよ。

結局、あなたの魂が私の外来に相談に来させたのですからその魂の決断に従って

素直な気持ちで、お母さんと婚約者にお話ししなさいね。』

しばらく、考えを巡らせていた

ようでしたが涙で赤くなった目で私をまっすぐに見つめながら

「わかりました。まず、母に話をしてみます。」

と彼女は約束したのでした。

『これからも、相談にはずっとのりますから、困ったらいつでも私の外来に来てくださいね。』

「はい、ありがとうございます。」

ここで、その日の外来は終わったのでした。

1時間くらいはお話ししました。

そして、このことはしばらくの間、私の頭の中からは忘れていたのでした。

ところが、それから1ヶ月経ったある日のことです。

さらに、不思議な出来事が起こりました。

本当に、神は見ているのだと私は思います。

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60歳代の女性が耳鳴を主訴に初診されました。

1週間ほど前に両側の耳に奇妙な音が3回ほどブーン、ブーン、ブーンと断続的に聞こえたので

某耳鼻科を受診していろいろと精密検査をしましたが異常なしと言われました。

その後、ふらつきも30分間出現し現在は治っているもののなんだか不安になって口コミの評

判から私の外来を受診されたのだと言われました。

いろいろと症状について細かく聞いていきましたが何か引っかかるので、

『生活の中でストレスになるようなことはありませんか?』

と質問しますと、「実は、娘が結婚することになったのですが、てんかんを持っていて薬を飲

んでました。」

ふと、問診票の家族歴を見ますと

娘:中学生の時に”てんかん”と診断された。」と書かれてあります。

そこで、私は

『娘さんが、てんかんと言われたようですが現在はどうされているのすか?』

と、お尋ねしますと、

「はい、娘も先生(私)に、ずっと診察していただいてこの前、もう薬は飲まなくていいから

と言われたと家に帰ってきて言いました。そして、もし納得できないのなら

先生から直接説明を聞いて欲しいと言っておりました。」

と言うのでした。


その時は、まだその娘さんがあの”てんかん”の演技をしていた患者さんとは、気がつかなかっ

たので

『その娘さんの名前は?』

「○○ ×子 です。」

そこで、私はその方のカルテを開いたのです。

そして、初めて

”あっ!!” っと驚きました。

『お母さんは、今日、どうして薬を飲まなくて良いと私が言ったのかを

聞きに来たのではないのですか?』

「はい、娘がそういうのであれば、信頼できる先生なのでもういいかなっと思ってました。

結婚話も進んでいるし少し不安はありましたが今日は、そのことで来たのではなくもし、先生

から娘のことを聞かれたら話をしようとは思っておりました。」

と言われたのです。

『私は、娘さんが自分の口からお母さんにお話するように言っておりましたが

娘さんの方から私がお母さんに説明しても良いとのことですのでこれまで

娘さんの”てんかん”についての真実をお話したいと思います。』

お母さんは、不思議そうなそして不安そうな表情をされていました。

『実は、娘さんは”てんかん”のふりをしていたのです。

”てんかん”は、娘さんの演技です。ですから、娘さんは”てんかん”ではない。

だから、抗てんかん薬も必要ありません。』

「本当でしょうか?」

『はい、娘さんは泣きながらこれまでのことをお話してくれました。

お母さんにも誰にも言えなかった。さぞ、苦しかったと思いますよ。私に全てを話して楽にな

ったと思います。

一番悪いのは、学校の教師!

次に悪いのは、怒鳴り散らして”てんかん”と決めつけた医師です。

娘さんの話をきちんと聞こうとしなかったし状況をきちんと把握してあげられなかったので

す。

そして、最後に悪いのは、あなた、お母さんです。

子供を守ってあげなければいけないお母さんが20年近くに渡って、苦しんでいる娘さんの

ことに気がつかなかったからです。』

お母さんは、じっと聞いていましたがじわっと涙を流しながら

「そうですか。。。先生とお話をして帰ってきて薬はもう飲まなくて良くなったと言っていた

のが、不思議ではあったのですが。。。てんかんと言われた時にはショックでした。」


お母さんは、20年前のことをゆっくりと
1つ1つ思い出しているようでした。

「外来で、先生に大声で怒鳴られました。

”何回も意識をなくしているんだ! てんかん以外、ありえないでしょう!”

って。

それからは、薬を飲み忘れないように娘にはいつも気をつけていました。」

『お母さん。娘さんは、薬を飲んでいませんよ。見ている時以外はあまり飲んでいなかったの

です。家に帰ったら、娘さんにまずは、”許してね”って謝ってくださいね。娘さんのことをし

っかりと受け止めてあげなければいけない。そして、今日こうして私の外来に連れてきたのは

”神様”ですよ。どうしてもあなたをこの私に会わせるための必然を作るためにあなたの”耳

鳴”は起こりました。

今日、お母さんは娘さんのことで来たのではないとおっしゃいました。

でも、神様はあなたをここに連れてきたのです。真実をお母さんが知る機会を与えられたので

すね。不思議なことです。』

「先生にお会いできて本当に良かったと思います。ありがとうございました。」

『耳鳴については、心配ないでしょうが念のために MRIで確認はしておきましょうね。

予約しておきますのでそれまでに、娘さんときちんとお話して下さいね。』

ということで、

その日は、終了しました。

後日、MRIを撮りに来院しMRIでは、何ら異常のないことを確認して、お母さんに説明しまし

た。

『娘さんとに、きちんと謝りましたか。そしてその後、耳鳴はいかがですか。』

「はい、謝まりました。そして、二人ともすっきりしました。耳鳴なのですが、前回先生に診

ていただく前までは時々、換気扇などの回転するような感じの音がしていたのですが先生から

お話を聞いてからピタッと音が止まりました。家でも換気扇をつけたり消したりして耳鳴りが

治っているのを確認していて娘に何しているのと言われました。不思議なことです。」

『では、今度は、二人で相談して結婚までに、相手の方にこれまでの話をするかどうかをよく

考えてください。てんかんではなかったのだし彼には、てんかんの話さえしていないのだから

演技だった”てんかん”の話はする必要もないのかもしれません。しかし、二人での生活の中で

同じような状況に置かれることもあるかもしれません。その時にまた”嘘”をつかないためにも

言うのだったら、早い方がいいですね。』

 

「はい、わかりました。」

そして、この私の夢は覚めたのです。

この夢を見て考えさせらたのは最近の交通事故です。”病気”があるにもかかわらず平気で運転

をして人が死んでいきます。これは、やはり”魂”にキズを持った人々が多くなっている証拠だ

と思います。仕事、家庭、人間関係のストレス。それを無視したあるいは押し殺された感情が

少しずつ”魂のキズ”をつけていくのです。やがてそれがピークに達して病気は爆発してしまい

ます。本人が自覚していない心の歪みや痛みそれが身体に表現されて”病気”となります。

日々の小さなキズは、すぐに修復するようにすべきですし何よりも”魂”に素直に生きるように

するのが一番病気の予防になるのですね。

あなたも人には常に”愛”を与えて生きてください。

自分がして欲しくないことは人には決してしてはいけないのです。壁を叩けば、痛いのは壁で

はありません。自分の手であり叩いたのが人であれば相手の体も痛いでしょうがあなたの手も

痛いし終局的にはあなたの”魂にキズ”を作ることになります。いつかは、相手にしたことがあ

なたにもきっと起こります。

この私の夢の最初の部分でもう1つ必然が起こっていたのです。それは、この娘さんが私のと

ころへ転院することになったのは本当は、転勤ではなく前医が亡くなられたからなのです。

人生は一瞬の夢のごとし。。。

神様は見ているのです。神様はあなたの中にあります。

そしてあなたは神になるべく存在し、宇宙全体の法則そのものです。

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