霊界との交信
*しつこくて申し訳ないですが、魂の進化を成し遂げるには、連続的な 転生のシステムがどう機能するのかを、皆が自覚していた方がよくあり ませんか。
魂の進化は、その魂自身が本当にそれを決断した時にのみ、本物となる。魂が、成長を指導してくれる高次の霊魂の存在を常に意識してしまえ ば、指導霊がいるかどうかに左右されて、自由に行動できなくなってし まうだろう。大人に対する恐れや尊敬から、親や先生の前で特定の行動 を取ってしまう子どもと同じだ。大人がいなければ、いたずらをしても しかる人がいないので、子どもはもっと自由な気分で、本来の姿に近い 全く別の振る舞いを見せる。
後見役の高次の霊魂の存在がより明らかなのは、魂が肉体から解放されて霊界にいる期間だ。記憶を失くして、監督されている確証もないまま物質界に転生するのは、魂が何の制約も受けずに完全に自由に行動できるためで、自己の経験を通して自分自身でしたいことを決めるためだ。
*それでは、肉体に宿っている間は、霊的な真相を自覚できないのですか。
そうとも言えない。もしそうだとしたら、肉体に宿った状態の君と私 とが、今そのことで話をしているということもあるまい。
霊的な真相を掘り下げたいと心から願う者は、必要な答えや霊的な援 助を得るであろう。君自身の例を見てごらん。君は、本質的な疑問を自 問し始め、心から探し求めたので、その答えを受け取りつつある。だが、 大抵の人は違う方向を見ていたいのだ。
宇宙が物理的にどう機能しているのかを知りたい、という偉大な好奇 心が、君たちを毎回、さらに重要な科学的な発見をするように駆り立て ている。霊性においても魂が充足感を得るためは、自己の疑問に答えを 見出す必要があり、因果関係を探求することで、表面的には隠れている 事実を発見できるのだ。
*それはどのようにするのですか。どのようにして答えを得るのですか。
「魂の法則」は魂に刻まれているので、自分自身を掘り下げようと奮闘すれば、表面的には隠れている霊的な真相が分かるのだ。
魂には、目の前の偽物から本物を見極められる何らかの力がある。そ れは良心や感情のささやきであり、魂の進化が進むにつれて、益々明瞭 なものとなる。時々立ち止まってそれらに耳を傾ければ、多くの答えを 得られるだろう。
しかし自分の真実でもある霊的な真相を知っていくには、自分で努力 してそう決意しなければならない。だから、古いことわざでは「汝自身 を知れ、しかるに宇宙を知るであろう」と言うのだ。
*でもその方法では、両親に捨てられる小さな子どものように、魂を運 命に委ねて見捨ててしまうことになりませんか。
魂は見捨てられてはおらず、ガイド役の霊たちが常に助けてくれてい る。自分で本当に解決できない問題がある時には、さり気なく答えを暗 示してくれている。
ただ、君たちには多くの怖れやタブーがあり、自分の先入観や思い込みと折り合いがつかない回答を認めようとしないので、霊界にいる同胞は、なかなか支援できずにいるのだ。
*どういうことですか。
例を挙げようか? 死に対する君たちの態度を見てごらん。今日では、死は西洋社会ではタブーであり、魂が肉体を離れる度に、家族や愛する者の間で、真の悲劇が繰り広げられる。どうしてだろうか?
自分のパラダイムを変えなければ説明がつかない、という理由だけで、 君たちが死後に魂が存命する証拠を見ようとしないからだ。別の次元に渡った魂が、別れの挨拶をするためや愛する者を安心させるために何らかの形で現れる時、それが君たちの思考回路と相容れるものではないの で、単にあり得ないと思い込んで、見たり感じることを信じようとしないのが常だ。そして頭では、ショック状態による幻覚に違いないと思い込むのだ。
他方、宗教の影響もある。宗教は、実際の証拠や証言にはよらず、信じ難い馬鹿げた教義に基づいて、死や死後の説明をするのだ。また、彼らが承認していない霊界とのコンタクトは全て、単なる想像、あるいは 過去の時代のように「悪魔のしわざ」だと断定し、あの世とのいかなる 交信も恐れさせるのだ。
また、機器で計測できるものしか信じず、この件を真剣に調査することを拒否した物質至上主義の科学の影響もある。物質至上主義の科学は、末期患者や臨死体験をした病人を診て、思い切って死のベールを剥がして真相に近づこうとする、少数だか勇気ある研究者の仕事を、あらん限り邪魔するのだ。
結果として、死の過渡期にいる人やその愛する者たちは、信じるに足る説明も慰めになる希望も見出せずに、情緒的には完全に見捨てられて しまうのだ。
*では、霊界から助けてもらうにはどうしたらいいのでしょう。
とても簡単な事だ。ただそう頼めばいい。心からの願いをテレパシー で霊界に送って、何が起こるかを待てばいい。ただ単純に、自分の状況や必要なことを話して、助けを頼むのだ。 指導霊たちは、これらのメッセージを受け取って対処するためにいるのだ。心から誠実に、霊的進歩を達成したいという思いで頼むのであれ ば、返答が得られるだろうかと疑う必要はない。
これが本当の祈りなのだ。神やイエスや聖母を崇め祭るお祈りを何回となくくりかえすのが祈りではないし、それは君たちとっても霊界にと っても全く意味をなさない。
*ガイド役の魂たちとはどう交信するのですか。僕は、言葉でもヴィジ ョンでも他のいかなる方法でも、ただの一度も聖霊と交信した覚えがな いのですが、霊界からの援助とはどういうものでしょうか。
君は、私と交信を始めるまでは、と言いたいのだろう。今では私も肉 体を持っていないからね。だがこれは通常の交信方法とは違うので、君 の言いたいことは理解できるよ。
受け取る支援が明確でないとしたら、それは君たちの自由意志に干渉 しないように、非常に精妙な方法で与えられるからだ。それに、魂が本 当に必要としていて、受け入れ態勢がある時にだけ、手助けされる。
ガイド役の魂は、良心のささやきを介して、頭の中で君たちに話しか ける。他の魂たちも頭の中で話しかけ、悩み事の種類に応じて助言する。 よって、各人の良心の声の中には、ガイド霊や霊的な兄弟などの霊界か らの声も一部に含まれていることになる。だが、無数の転生で培った叡 智を宿した自分自身の魂の声も含まれているのだ。
いずれにせよ、この心の声は、問題を解決するための助言や援助とな って、人生が辛かろうが幸せであろうがいかなる状況であろうと、そこ から君たちが霊的進化のための最大の恩恵を引き出し、我欲を取り除く 工程や無償の愛についての学習に役立つようにしてくれる。援助を受けるには、それが可能だと確信し、答えを見出す必要のある質問をして、 良心のささやきがもたらす返答に耳を貸さなければならない。
*これは、瞑想と関係しますか。
瞑想も有効だ。霊的観点から言えば、瞑想は、日常の問題から頭を解放して内面の声が聞けるような冷静な状態に達することだ。それは、自 分の欠点を見つめ改善し、気持ちを大切にし始めるのに役立つ。
瞑想は、自分自身を知るために自己分析をすることでもあり、いつ我 欲のままに行動し、いつ心に従って行動したかを認識できる。それが分 かるのであれば、どんな瞑想法を用いるかは、重要ではない。見栄えが 良かろうが悪かろうが、構わない。
人は往々にして、本質的なものではなく、表面的なものにこだわるが、 何をするかではなく、どういう意図でするのかが問題となるのだ。
こんなことを言うのは、深い呼吸をしながら頭を空にして、何時間も 蓮の姿勢のまま座って我慢していられる、大変器用で柔軟な人たちは沢 山いるのだが、瞑想状態から離れるやいなや霊的な悪癖に戻ってしまい、 特定の技法を行っているだけで自分をスピリチュアルだと思い込んでい るからだ。それは瞑想ではなく、そのふりをしているだけなのだ。
*でも、どうやって良心の声を聞くのですか。僕には大変難しいことに 思えます。一体どのように、良心の意思と頭の中の他の一般的な思考とを見分けるのですか。全く簡単には思えませんが。
良心の声を明瞭に聞くには、しばらくの間頭の中のおしゃべりを止め させ、その間日常的な心配事から頭を解き放とうとしなければならない。 一日に独りになれる静かな時間を設け、自分の欠点やその日の行動を内 省してみる。そして、心から願えば、必要な答えを見出す助けや、試練 にしっかりと立ち向かえる力が与えられる。
良心の声は、我々をおだてるものではなく、ひいきもせず嘘もつかず、 我々のエゴを不快にするようなことも言う。
霊的に交信できるチャンネルが開いている人もいるが、それは、この 受信方法を信頼して能力を改善しようとしたからだ。そういう人は、自 分で熟考して得た答えと指導霊たちから貰った答えとを見分けることが でき、彼らと意識的に対話ができる。
*これが、霊界側が僕たちを助ける唯一の方法ですか。
いや、君たちは皆、睡眠中にもより直接的な援助を受けている。
身体が眠っている間、魂は物理次元をしばらく離れて霊的次元に行く のだ。そしてそこでガイドや親しい者に出会って、日々の諸問題を解決 するために手を貸してもらい、頑張る気力を貰う。つまり、意識はして いないが、夜の間に皆がアストラル体で旅をしているのだ。
大抵の人は、睡眠中の霊界との交流体験をはっきり覚えてはおらず、夢として大まかなイメージや記憶が残る。夢には、覚醒状態では理解しづらい事柄を明確にしてくれる霊的な援助が、暗号化されて含まれているのだ。
だから、元気でいるには、充分に睡眠を取ることがとても大切なのだ。 良く眠れないと霊界と直接交信できなくなって、物質界の試練と向き合 うための助言や活力を受け取れないからだ。
*それでは、夢はアストラル旅行(幽体離脱)の記憶なのですか。
いつもそうではない。大半が精神的な心配事だ。しかし中には、幽体離脱の多少はっきりとした記憶もあるが、その多くが暗号で象徴される。
*それでは夢には解釈があるのですか。
夢が霊界からの援助であれば、解釈できる。全ての夢に共通のシンボルがあり、通常はシンボル自体に解釈の鍵が存在する。 雄牛は試練や物質的誘惑を表し、子どもたちは感情を意味する。 水は、感受性だ。清らかならば、感受性もそうだということだ。水が濁っていれば、感受性にも何らかの翳りがあるのだ。利己的な意図を表 す場合もある。
家は、霊的な内面を表す。ドアからではなく窓から家に入るのは、正直ではなく、何かを隠しているか操ろうとしていることだ。
徒歩や車で様々な困難がある道を進むことは、霊性の道程を表すこと が多く、そこに出現する障害物が、これから遭遇する試練を意味する。
アイスクリームは自己満足を表している。
下に落ちることは情緒的下落、落ち込みを意味する。
*でも、それぞれのシンボルの意味を知らなければどうしますか。
シンボルの解釈は習うことができる。 通常は夢自体の中に解釈の鍵があって、魂自身が、その夢が重要なのかどうか、自分に関係があるのかないのかを感じ取る。 もし独りで解釈できないのなら、霊界が理解できるように必要なヒントをくれるだろう。だが初めに、自分を掘り下げたいと思う必要があり、 それから睡眠中に、そのために役立つものを貰えるのだ。
*なぜ直接的にではなく、暗号で援助が与えられるのですか。
魂の自由意志を侵さず、魂自身に自己発展の努力をさせるためだ。 いい数学の教師であれば、生徒に本当に力をつけさせたい場合は、問題の解答を直接与えてはならず、行き詰った時に適切で正確な説明を与 えて、生徒自身で問題を解くよう手助けをすべきだと知っているものだ。
進化途上の魂にも同じことが言える。解答を直接あげてしまったら、 自力で霊的な試練を解決しようとしないので、進歩がない。怠慢になり、 ガイド役が自分の問題を解決してくれるのを待つようになるだろう。
その人自身が決めなければならないことを教えてあげることも、自由 意志に関与することになるので、正当とは言えない。魂は自分で決断し ないといけないのだ。だが、自力で問題を解決するために知っておく必要があるのに独りでは気づけない重要な細部もあるため、ヒントは与えられる必要があるのだ。
魂が、自己の問題を完全に自覚しており、独りで解決する能力がある場合には、助けは不要なので与えられない。それは、裕福な人びとの地域に食料を配りに行くようなもので、彼らは配給される食料は独自に入 手できるので、全くの無駄となってしまうのだ。
*どうして僕たちは、睡眠中に離脱することを自覚できないのでしょう。
自分の意志で肉体から離れられて、幽体離脱の間に起こったことを完全に自覚している人たちもいるよ。
*人間は皆、アストラル旅行ができるのですか。
無意識だが、睡眠中の特定の段階では皆が旅をする。突発的に離脱に成功して、そのことを自覚する者もいる。だが、意識的にできる人はほ んの少数だ。
的確な訓練をして忍耐力を持てば、君たちの多くが、意識的にアスト ラル体での旅を実現できるだろう。だが、大多数がそれが可能だとは信 じておらず、そのための練習もしないので、結局何も起こらないのだ。
進化した世界では、個人的な成長に役立てるために、子どもの時から 意識的にアストラル・トリップを教えるので、誰にでもできるのだ。
*アストラル旅行がし易いかどうかの能力は、何によって決まるのです か。
各人の魂の能力や、霊的に進歩したいという意志、霊性に関する自覚、 生まれる前に選択したことなどによる。身体から完全に離れる必要がなく、もっと直接的な方法で霊界と接触できる天性の能力を生まれつき備えている人もいる。そういう人を通常、 霊媒と呼ぶ。
*あなたとって霊媒とは何かを、教えていただけますか。
霊媒とはチャンネルを意味する。 霊媒は、他の人と比べて、より直接かつ明瞭に霊界と交信できる人で、一般人が普通の電話回線しか持っていないとするなら、インターネット の高回線ADSLを持っているようなものだ。
大半の人は、自分の周囲からは、五感が捉えられるものしか感じ取れ ないので、物質界の向こう側に霊界が存在するということに、全く確信が持てない。
だが霊媒は、あたかも強力なアンテナを持つかのように感度が高く、 一般人の普通のアンテナでは捉えられない様々な周波域で送信されてく る放送でさえ、受信できるのだ。
*でも、霊媒が皆同じではないし、その霊媒能力も違うと思うのですが。 霊媒力には様々な種類があるのでしょうか。
そうだ。その表現形態や霊界との主なコンタクトの種類で分類することが可能だ。
この分類形式を用いると、霊体を見ることのできる霊視霊媒と、彼らの話を聴くことのできる霊聴霊媒がいる。
自動書記は、筆記によってメッセージを受ける者のことで、自分が書く内容を自覚している場合としていない場合がある。
直感霊媒は霊感を与えられて、直接頭の中で霊的メッセージを受け取る者だ。
憑霊霊媒は、自分の身体や感覚の全体または一部を、肉体のない霊が物質界で具現するために一時利用できるように貸したり受容する者で、 後で自分の身体のコントロールを取り戻す。
治療霊媒は、高次の霊から送られるエネルギーを通流させて、肉体を持った魂の生命状態を改善しようとする者だ。
過敏霊媒は、五感を使わずに、霊の存在やその状態またはメッセージなどを感知できる者だ。予知霊媒は未来や過去の映像を捉えられる者だ。
*それでは霊媒者は、自分のガイド役とずっと簡単に交信できるので、 他の人よりも優遇されていますね。
生来の霊媒体質というものは、他者を ―肉体の有無に関わらず― 助け るために使用されるべき道具のようなもので、それを利用してもっと く進化が遂げられるように、特定の場合に必要とされる魂に与えられる。
だが、一旦生まれ変わると大半の者が、能力のない人びとに理解されずにその力を持たない方が良かったと思ったり、個人的な利益に力を使 用しようとするのだ。
交信できる範囲は、指導霊に限定されずに霊界全般となるが、この世界も君たちの世界のように、皆が善人である訳ではないのだ。様々な進 化段階にいる霊がいて、霊媒のチャンネルは全てに開かれているので、 良い影響も悪い影響も受ける。霊媒がチャンネルをどのように使用した いかによって、高次あるいは低次の霊の影響を呼び寄せるのだ。
*それなら低級霊も、僕たちに影響できるのですか。
そう、低級霊もだ。肉体を持った者は全て、霊媒であろうとなかろうと、霊魂からの影響や助言を受けるが、それには低級霊も含まれている。 だが高級霊の場合と同様に、彼らを甘んじて受けない限り関与されるこ とはない。
低波長の存在は、自分が波動を下げた時にだけ同調してくる。魂の弱 点や欠点のスキをつかれて、つけ込まれるのだ。有害な感情や「愛の法 則」に反する行為などが、つけ込まれるきっかけとなる。
*でも低次の霊は、いつも嫌がらせをするために、たとえば霊媒などに 近づくのですか。
そうとは限らない。辛い環境から抜け出すための助けを求めて、近づくこともある。彼らは、何かの理由で物質生に強く執着を残してしまった魂で、霊界から直接援助が提供されていることに気づけないのだ。苦しむ彼らにとっては、霊媒は霧の中の灯台のようで、霊界の目的地に向かって彼らを前進させるために必要な援助を与える仲介役となる。
*霊媒力はこの世では余り評判はよくありません。
そうだね。君たちの進化レベルの世界ではよくあることだ。
*どうしてですか。
色々な理由がある。 一つには、隠れた私欲を満たすために低級霊を引き付けて霊界との交信を利用しようとした者や、金儲けのためにいかさまをした者などが、 悪い手本となったからだ。また、地上の権力者にとっては霊媒力が発達してしまうと不都合だっ たので、あらゆる手段で弾圧し、蔑んだのだ。霊界から直接与えられる 知識によって人類が覚醒してしまい、霊的な真相や人生の真の目的を自覚して進化を阻む鎖から解放されようとしたら、権力者は、私益のため に人類を騙し操り搾取し続けてきた全ての影響力を失う羽目になるから だ。
*でも誰もが霊界との独自の繋がりを持っているのだとしたら、他者と の媒体となる特別な繋がりを持つ人がいるのはなぜでしょう。
全ての人間の霊界とのチャンネルが開いていたとしたら、他者のため の媒体になろうとして、魂が転生する意味も余りないだろう。
だがこの世の多くの者は、意志力が足りないためか、疑念や怖れのせ いか、自分の繋がりを作動させるのが非常に難しく、必要とする援助を 受けられないでいるのだ。そこで霊界は、肉体に宿った魂に進化上必要 なメッセージを伝えるという明確な使命を担って生まれて来た特定の魂を、代弁者として利用する。はっきりさせておきたいのは、霊界と人間世界との交信は、常に存在 し続けるということだ。どのようにどんな形でそれが行われるのかには 関わらず、転生した魂は、霊的な援助を受けて進歩する必要があるのだ。
*でも霊界には、助けてくれようとする善意ある霊魂だけでなく、進歩させまいと画策する低級霊もいて、彼らも僕らと交信できるのですよね。
相手がどちら側の者で、どういう意図があるのかは、どうやって見分 けるのですか。
メッセージの質を吟味することが、相手の能力を把握する一番いい方 法だ。
心に届き愛を育むために役立つ善いメッセージなら、善良な霊からの ものに疑いはない。
メッセージによって我欲の感情が引き起こされるのなら、相手がイエ スや聖母や聖テレサなど、どんなに偉大な名を語ったとしても、それは善い意図など持たない詐欺師だと考えて間違いない。
イエスが言ったように「実を見て木を知るのだ。健全な木に腐った実 はならないし、腐った木もいい実をならせることはできない」のだ。
*どの霊と交信するかは何で決まるのですか。
霊との交信は、インターネット上の人と通信することに良く似ているが、それはどちらの場合も、話し相手を見ることができないからだ。両方とも遠くの場所の人たちと連絡を取れるが、その人たちを知らないの で、善意の人もいるだろうし、我々を騙そうとする悪意ある人もいるだ ろう。
我々の興味の対象により、連絡する人のタイプが変わる。特定のテー マに関心があれば、その話題のチャットや掲示板を求めて、同じ趣味の人たちと交信するだろう。
たとえば、他者を支援する非営利団体に加入したいと思っている人は、 そのテーマのサイトや掲示板を探すだろう。これは、善意のない者が興味を持つ話題ではないので、このような掲示板で悪意のある者に出くわ すことは余りない。
だが、た易く金持ちになれると触れ込んだり、写真で恋人選びをするようなところであれば、何もいいものは得られないと確信すべきだ。
それと同じように、霊媒であろうとなかろうと、各人の思考や行為の近似性によって、どういうレベルの霊魂の影響を招くのかが決まるのだ。 つまり、賭け事やくじにはまっている人は、死後も依存性が抜けない賭博狂の霊の影響を引き付け、これらの霊が自分たちの期待を満たすために当事者の悪癖を増長するのだ。
その反対に他者を助けたいと思う人は、善意ある霊魂の影響を受けて、目的を果たすように支援してもらえるのだ。
したがって、高次で善意ある霊魂と通信するには、自他の魂の改善に の交信を役立てたい、という誠実な思いを持つことが一番確実なのだ。 気高い気持ちや思考になると、チャネラーとその周りには高い波動が生じるので、善意を持たない低波長の霊は近寄れなくなるのだ。
*でも、霊媒であろうとなかろうと、有害な霊の影響を被ってしまって、 更生したいと思っても、彼らのせいで正しい方向に戻れなくなることはないでしょうか。
そんなことはない。どの道を選ぶかは自分次第だ。
確かに、いじめる対象を失いたくないがために影響を及ぼし続けようとする、昔の悪い仲間と手を切るのは難しいだろうが、各人の「自由意志の法則」は侵害できないので、彼らは、本人の意志以上の影響を及ぼ すことができない。
しかも話した通り、我々全員には、魂を指導し守護してくれる、高度に進化した個人的なガイド霊がついているのだ。宗教では「守護神」と 呼ばれる者だ。
この存在は、多くの低級霊を束ねたよりも強い力を持ち、正しい道へと我々を導くために、常に我々の傍にいる。その気になれば、絶えず邪魔しようとしている低級霊たちなど、簡単に追い払ってしまえるのだ。
だが多くの場合、人はこの援助を欲しがらず、本人の自由意志が尊重されているので、「守護神」は自分の生徒がつき合いたい仲間と一緒にいることを容認し、生徒が再び意見を聞きたくなる時まで待機するのだ。
また、それほど高次ではなくとも、手助けしようと見守ってくれる別の存在もいる。彼らは、愛する仲間や亡くなった家族や友人、または知らない人の場合もあるが、必要な者を助けようとする善意の霊たちなの だ。
しかし、くりかえすが、本人が彼らの声や援助を受け付けないのであ れば、時が熟すのを待つしかないのだ。
*どうしたらこのようなネガティブな霊の影響を振り払えますか。
君たちの態度でだ。「愛の法則」に従って感じ、考え、行動しながら生きるようになればなるほど、高次の霊の影響を引き付けるようになるので、低級霊に嫌がらせをされる機会を与えなくなるのだ。
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