外来でのエネルギー治療適応症例(その1)

エネルギー治療

 まず最初にお断りしておきます。個人情報の問題を回避するためにここに記述していることは、事実に基づいてはおりますが、内容については私がアレンジしたものであり、エピソードや人物設定がどんなに似かよっていようと、実際の患者さんとは無関係であります。

最近、外来をしていて感じることがあるんです。

脳神経外科専門に診察していても、目の前の患者さんは、脳外科疾患を患ってい
ることが診断されているから脳外科を受診しているのではないと、言うことで
す。

そして、最近の私は「エネルギー治療」の適応症を探しています。

初診の患者さんです。例えばこんな症例(患者さん)。

70歳代の女性。

主訴:頭痛、めまい

現病歴:2年位前に、激しい回転性のめまいとそれに伴う嘔吐があり、某病院の脳外科を受診してMRIも撮影してもらった。(よく聞くと私の後輩の脳外科医でした)MRIは全く異常なく、耳鼻科を紹介された。そこで、「良性発作性頭位変換眩暈」との診断を受けた。その後、めまいの治療薬を内服し続けている。ここ2ヶ月間くらい、両方のこめかみに痛みが走るようになり私の外来を初診となった。で、次に既往歴を詳しく聞いていくと幾つかの疾患とともにそれにまつわる不安を訴える感じだった。

そして、不眠を訴えた。

そこで、神経学的所見を詳細にとって少し打ち解けてきた頃(多分すでに15分くらいは経っていた)頭痛の経過と病歴を総合的に見て、病気と言えるようなものはなさそうだったので

「あなたは、重大な疾患は持っていないと思います。不眠の原因は何ですか?

何か、悩みはありませんか? 家は、誰と住んでいるのですか?」

など尋ねていくと独身の一人娘さんと夫の3人で暮らしているのだが、その一人っ子の娘さん(40歳越え)と結婚についてよく言い争うのだそうな。

意見の対立ですね。

母は、娘に普通の結婚をして普通の女性の暮らしをして欲しい。

娘さんは、自分の考えがあって譲らない。。。

こんなことを話しているうちに30分くらいは経ちました!

ああ、この人の頭痛は、不眠と心の負担が原因だとはっきりとわかりました。

通常の脳外科の診察ではこんな話しはまずしません。

かつての私もしませんでした。

私は、彼女に言い放ちました

「あなたは、心の病です。脳外科の病気はありません。MRI検査は不要。めまいの薬も止めましょう。」

。。。。

患者さんが言いました。

「◯◯病院の薬剤師さんが、脳外科受診するのだったら白石先生に診てもらいなさいと、アドバイスしてくれたので、来たのです。」

と。その患者さんは、私の病院から数十キロ離れた市からわざわざ私を目指して受診されていたのです。

これは、私が自慢しているのではありません。こうやって遠くから患者さんは、本当に信頼できる医師を探してやってきているということを肝に命じておく必要があるということです。

こういう話しは、短い診察時間では、患者さんは口にしないものです。

私が外来が混んでいて急いでいる時には敢えて、

「遠くから来られていますね、どうしてここまで来ていただいたのでしょうか?」

と、尋ねるようにしています。

現代は、種々のストレスが満ちています。それは、もの、人、環境、すべてです。

医師は、単に病気のことに集中していても答えが見つからないということを真剣に考えなければ、もはや、その患者さんの真実には到達できません。

この患者さんには、少し説明をして、隣の「頭痛治療室」で

ソフトレーザー + エネルギー の治療を受けていただきました。

帰るときには、頭痛は元の10%程度にまで軽減しました。有効だったのは、ソフトレーザーではありません。理由は、レーザー治療では60%にしか軽減しなかったからです。

患者さんが言いました。

「もっと早く、先生とこに来たらよかった。」

その次の私のエネルギー治療の予約をとって帰られたのは言うまでもありません。

。。。

街はクリスマスへ向かって光の化粧。。。

博多2

コメント

タイトルとURLをコピーしました