33年前の奇跡

くも膜下出血

メルマガで、非常に良い評価を頂いたので、
メルマガを読まれていない方に向けて発信いたします。

 

あれは、昭和63年、今から33年前になります。

その年、私は妻と結婚いたしました。

私が32歳の時のことです。

まだ、医学部を卒業して7年目の若輩者でした。

当時55歳の女性Kさんは、その年のある日、強烈な突然の頭痛に襲われました。

そして、その翌日、S病院を受診し、頭部CTを撮影しましたが正常との判断で

内服薬を処方され頭痛は一旦消失。

それから9日たった夜、また再度頭痛が起こります。

その時には約5分間の意識消失と嘔吐がありました。

また、S病院を受診、今度は入院しもう一度頭部CT撮影すると

今度はくも膜下出血を認めました。

破裂脳動脈瘤です。

そこで、最初の頭痛から11日目に、

私の勤務する病院に救急搬送されてきたのです。

意識は、全くの清明で何の神経学的な異常もありません。

第18回の私のメルマガで、ご紹介したくも膜下出血です。

見逃したら死ぬやつです。

最初の破裂から、よく数日間生きていたものだと

私は感心いたしました。

私は、その女性に手術することを強く勧めました。

しかし、その女性は頑なに手術を拒みます。

理由を尋ねると、お兄さんも同じくも膜下出血でM病院で手術し、

死亡されたとのこと。

ですから手術など絶対にしたくないとのことでした。

破裂動脈瘤という疾患は遺伝性疾患なのです。

私はとても困りました。

すでに発症から11日目です。

もういつ破裂してもおかしくありません。

しかもすでに2回破裂しています。

3回目に破裂したらまず助からないでしょう。

私は、毎日病棟の彼女の部屋を訪ねては

手術をしなければ確実に死にますと訴え続けました。

発症から29日目、入院してから18日が経ちました。

その日、ついに私に根負けしたのか

彼女は手術することに同意されました。

その日、直ちに緊急手術を実施しました。

そして、彼女の命は救われました。

術後、19日目になんの後遺症も残すことなく

彼女は、笑顔で退院することができました。

私は、今でも彼女と一緒に記念に写した写真をもっております。

それから21年の歳月が過ぎ

私は彼女のお兄さんが亡くなったというM病院に

勤務することになりました。

縁とは不思議なものです。

そんなある日、なんとそのKさんが

私をM病院まで訪ねてこられました。

すでに彼女は、76歳、私は53歳になっていました。

色々とお話をさせていただきました。

とても懐かしく、そしてまた私はよくもまああんなに自信を持って

手術を勧めることができたなあとつくづく思い出したのです。

決して簡単な場所の破裂脳動脈瘤ではありませんでした。

もし、後遺症でも残していたら今頃は、

Kさんから、恨まれていただろうし

笑顔で再会することもなかったでしょう。

 

 

話はまだ続きがあります。

ほんの数日前のことです。

聞き覚えのある名前の女性から電話がかかってきました。

この女性Kさんでした。

さらに11年が過ぎています。

しかし、私はすぐに思い出しました。

彼女はすでに87歳、私は64歳です。

なぜ、電話してきたのかと尋ねますと

かかりつけだった病院の医師に

脳の病気についてフォローの画像検査をしたいと言った時

「まだ、その年になっても生きていたのですか?」と

嫌味を言われたそうです。

そして、私のことを思い出されたようで

私のことを調べて

私のクリニックの電話番号を見つけて

電話してくれたのだと教えていただきました。

クリニックに電話して出なければ

転送するようになっておりますので、

その日はクリニックが開いておりませんでしたが

私の携帯にかかってきました。

そして、私に会いたいと言ってくれます。

余程、寂しい思いをされたのでしょう。

実は、数年前にご主人も他界され

今は、独居の身だとのこと。

ご自宅の住所も教えていただきました。

Kさんの住んでいるところは、私のクリニックから30kmはあります。

なかなか行く機会もありません。

しかし、近々時間を見つけて行ってみようと思います。

*上記の日数や年数がはっきりと記載できているのは、
私が、手術した症例全ての記録を残してあるからです

 

かつての私は、手術ばかりしていましたが

病気そのものよりも、ひたすら一生懸命に

その人とその人の人生と関わりをもってきました。

今の私は、その大好きだった手術をやめてしまいましたが

患者さんとの魂との繋がりはより強く感じられるような

診療と治療をするようになったのだと思います。

これからもより深く魂と繋がり

可能な限り多くの患者さんとの出会いが

起こるよう努力したいと思います。

よろしくご協力をお願いいたします。

 

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