薬物乱用頭痛:その2

エネルギー治療

以前にも症例をご紹介しましたが、薬物乱用頭痛というものがあります。

次のような症状がある人は、「薬剤の使用過多による頭痛(薬物乱用頭痛:medication-overuse headache=MOH)」が疑われます

  • 以前は月に数回、片頭痛が起こっていた。
  • 月に15日以上頭痛がある。
  • 頭痛薬を月に10日以上飲んでいる。
  • 朝起きたときから頭痛がする。
  • 以前はよく効いていた頭痛薬が効かなくなってきた。
  • 薬をいくら飲んでも頭痛が以前よりひどくなってきた。
  • 頭痛の程度、痛みの性質、痛む場所が変化することがある。

日本頭痛学会による “薬物乱用頭痛” の定義

  1. 以前から頭痛疾患をもつ患者において、頭痛は1ヵ月に15日以上存在する
  2. 1種類以上の急性期または対症的頭痛治療薬を3ヵ月を超えて定期的に乱用している
  3. ほかに適切な国際頭痛分類第3版(ICHD-3)の診断がない

症例:30歳、女性

本症例の掲載につきましては、患者さんご本人の承諾を得ております。

主訴:頭痛

職業:保母のパートで本年の4月から働いている(朝8:30〜16:00)

現病歴:10年くらい前から、多い時には3−4回/週の頻度で頭痛が起こることがある。少ない時は2−3回/月。仕事が終わってからの方がよく起こる。先日は、朝10時ころから後頭部がズキズキして初めて、数回嘔吐して、仕事を早退した。この時には、1駅電車に乗って隣町の幼稚園に交流会に行って頭痛が起こり始めた。急患センターを受信して、ロキソニンを処方され内服すると良くなったが、脳の病気が気になって当科を受診した。
本年4月から(ちょうど、パートで仕事を始めた頃から)、3−4回/週 くらいで、市販の頭痛薬を内服するようになった。

 

結婚前:靴販売の店員を20−25歳までして、25歳で結婚した。

夫 :30歳。仕事は、サラリーマンで事務系。
子供:4歳男、3歳女。
この4歳、男児はダウン症で、生後すぐと2歳の時に心房中隔及び心室中隔欠損のため
手術。現在は、元気。

妊娠回数:2回

同居の家族:夫と子供2人。

両親:皆、元気。

夫の両親:皆、元気。

 

まず、間違いなくこの方は、”薬物乱用頭痛” であります。
その原因は、この4月からパートで働き出したことによる仕事上のストレス。それに加えて、長男がダウン症であるために、お母さんは、ダウン症というハンディキャップを持った子供を産んだという罪悪感を持たれていると感じました。

『あなたは、仕事上のストレスを多く受けている上に、この4年間ずっと、ダウン症の子供を産んだという罪悪感に苛まれていませんか?』

「はい、そう思います。 妊娠初期の頃、心臓に奇形があってダウン症などの問題もあるかもしれないとは言われていたのですが、50%の確率と言われてもいたので、正常である方にかけて産みました。結果、ダウン症であったのでそのショックが大きく2年くらいは悩みました。」

『基本的に、あなたは”薬物乱用頭痛”と言われる頭痛ですが、その根本的な原因には、仕事のストレスに、お子さんのことがストレスとなっておられます。 特にお子さんのことについては、ダウン症と言われるお子さんも素直で素晴らしい子供たちばかりです。障害のない普通の子供さんよりも感受性の豊かな素晴らしい子供さんだと思いますよ。人の能力は、比べようがありませんし、一人一人個別のものであり、それが豊かな個性を作り出しているのです。お母さんは、自分のお子さんを人と比べてネガティブになるべきではありませんね。』

「はい、そう思います。」

『潜在意識の中に、ダウン症の子供を産んだことは自分の責任だという罪悪感があなたの頭痛の原因となっている可能性は高いと思います。今日は、私がエネルギー治療という特殊な治療をさせていただこうと思います。』

このエネルギー治療については、”潜在意識に閉じ込められた悲しみによる症状:頭がぼーっとする” で説明したようなお話をさせていただき、頭痛治療室に移動いたしました。

後は、いつもと同じように治療をさせていただきました。

この患者さんは、エネルギーパワーを送っている間は、体に電気が流れているようにビリビリしていたとおっしゃいました。そして、治療が完了した後には、

「頭痛が全くなくなりました。不思議ですね。すっきりしてます。でも、日にちが経つとまた頭痛が起こるのではないかと心配です。」

『それは、良かったですね。 ご心配されるのはよく理解できます。おそらく頭痛は起きないと思いますが、お守りとして、頭痛の予防薬として、デパケンRという薬を朝、夕で処方しておいきます。それでも頭痛が起きいた時、どうしても我慢できないほどひどい時には、ロキソニンを処方して起きますので飲んでください。いずれも2日分だけ出しますね。』

「はい、わかりました。」

『では、1週間後にまた、再診予約して起きますので、頭痛の経過を見てください。』

「ええ、ありがとうございました。」

患者さんは、明るい表情になって、帰られました。

 

1週間後の再診

再診した彼女の頭痛は、完全に消失していました。

ただし、不安があったため、予防薬のデパケンRを朝だけ飲んでいました。
エネルギー治療が有効だったはずなのですが、この時点では不明です。
ロキソニンは、全く内服していません。

今回も、同様にエネルギー治療を実施いたしました。
今回は、エネルギーパワーを受け取っている間、彼女は、体が前後にふわふわと揺れるような気がしましたと言われました。

興味深いです。

大丈夫だからこれからは、デパケンRも減量していくようにしましょうねと、お約束して、次回の予約をして帰られました。

img_4967

コメント

タイトルとURLをコピーしました