失語症で発症
このブログにこのおばあちゃんのお話を掲載させていただくにあたりまして
ご家族の方の御承諾を得ておりますことを申し添えます。
CTやMRI画像につきましても(若干の修正を加えて個人情報に配慮をしながら)
掲載することに御承諾を得ております。この場を借りましてお礼申し上げます。
そして、このブログを読まれている方すべてに、このような脳腫瘍があること
そして、今の西洋医学の限界やさらには、それでもすべきことがまだまだたくさんあることを
知っていただきたい。このブログをじっくりと読んでいただきましたらおばあちゃんにもさぞ喜んでいただけるのではないかと思います。
今回は、原発性脳腫瘍の中でも最も悪性度の高いと言われる”悪性グリオーマ”の80歳代のおばあちゃんのお話です。患者さんを”おばあちゃん”などと呼んではいけないきちんと名前で呼ぶべきだと、臨床の場面では言われています。
しかし、私は、敢えておばあちゃんと呼びたいと心から思います。だってずっと病棟で治療していると自分の”おばあちゃん”だと思ってしまうくらい”魂のきずな”が形成されたように感じてしまったからです。前号までは”魂のキズ” について書いてきました。今日は、”キズ”ではなく”きずな”です。
さて、その80歳代の女性は、O年X月15日に失語症を主訴に私の外来に他院から紹介されてこられました。その初診の1か月くらい前から周囲の人はいつもの喋り方ではないことに気がついていたようです。それが少しずつ進行するようなので近医を受診して頭部CTを撮影しました。
その画像がこれです。
画像の下の方にある横線の1目盛が1cmですから、長径 約4cmの腫瘤性病変を左大脳半球に認めます。
<単純CT>
<造影CT>
この画像を見たときこれは、”悪性グリオーマ” か”転移性腫瘍”(癌の転移巣)のどちらかであろうと診断いたしました。そこでまず、全身のCTで検索することといたしました。
PET CTがあればその方が良いのですが費用もかさみますし簡単に実施可能なCTをすることにいたしました。他の部位から転移してきたのであれば原発巣(転移してくる元の癌の病巣)が発見できるはずです。その結果は、原発巣なしでした。すなわち、この腫瘍は脳原発の悪性腫瘍で、”悪性グリオーマ” でほぼ間違い無いという結論でした。もちろん、確定診断するためには開頭手術をして病理標本を採取する必要がありますがそこまでしなくても画像からほぼ診断は付いているのでこれ以上の検査はしない。
さらには、”悪性グリオーマ” であるならば通常は2年以内の余命です。
80歳を超えられた方ですので手術はしませんしいわゆる抗がん剤も使用しないという方針でご家族もご理解されたのでした。
その頃はまだ失語症だけで四肢運動障害もなかったのでできるだけご自宅で生活していただき食事が食べられないなどの問題が起きた時には入院しましょうということにしておりました。しかし、初診から約1週間経った朝、トイレで倒れて緊急入院することになりました。
今日のところはここまでといたします。
まだまだ先は長いのですが次回は、入院時の画像をお見せして
何が起こったのかご説明していきたいと思います。
トイレで倒れて緊急入院
さて、今日はトイレで倒れて緊急入院したところからでしたね。
これが、緊急入院時の頭部CT(単純=造影なし)です。
<その1>の1週間前のものと比較してみてください。
いかがでしょうか?
何か違いますよね。
ピンク色の矢印で示した部分が腫瘍内出血になります。すなわち、悪性グリオーマではしばしば起こることですが脆弱な栄養血管からの出血が左前頭葉に生じたために脳圧が急速に上昇して意識障害及び右片麻痺をきたしたのでした。
この左の脳というのは右利きの人では約90%が左側が優位半球と言われ言語中枢が存在します。そしてこの部位の近くには右半身を司っている運動領野も存在します。ですから、失語症や右片麻痺が急速に悪化したのです。
思わぬ出血のために早く入院してしまいました。そして、失語症のために意思の疎通がうまくいかなくなってしまいました。出血によって腫れ上がって腫瘍の周囲脳の浮腫を取るための点滴(グリセオール®)を朝夕に実施することにしました。
残念ながらそのほかにはできることがあまりありません。水分とカロリーの補給は点滴で可能ですが、抗がん剤などは使用すればかえって死期を早めるだけです。エネルギー治療と言う方法を持っていない時の私であれば、これ以上できることは何もなかったでしょう。
しかし、今は私には生体エネルギーという治療方法があります。問題は、西洋医学ではない現在の医学では認められてはいない目に見えないエネルギー治療をご家族にどのように説明しご理解いただくかというその1点だけでした。
西洋医学を学んでいると科学的に目に見える形で我々人類が経験したことのあることで論理的に説明できること以外には正しいと認識することができなくなるという傾向があります。
私は、この壁を超えたつもりになっていますがいざ、それを一般の人に実践しようとした時に
『こんな非科学的なことをして医師としての信用を失うのではないか受け入れてもらえなかったらどうしようか。。。』
などと考えてしまいます。この患者さんは、すでに失語症で判断能力も落ちてきているのだからご家族には説明しなくてもこっそりとエネルギーを使えばいいのではないかとも思いました。そして、実際に数日の間はご家族には黙って、エネルギー治療をしていたのでした。
しかし、患者さんの状態はエネルギーを通していると割と調子が良い感じに見えますしエネルギー治療をする前と比べても症状の悪化が一時的なのかもしれませんがペースダウンしているように見えました。そこで、これはきちんとご家族にもお話ししてご理解をしていただいた方が私の気持ちも納得できますしご家族にもきちんとエネルギーというものの存在を認知していただこうと決心したのでした。
私は、入院してから数日してから毎日、朝30分間、夕30分間このおばあちゃんにエネルギーを通していました。休日は、遠隔でエネルギーを気合を入れて通していたのです。
ある日、このおばあちゃんのご長男夫婦と長女さんがお見舞いに来ておられました。ちょうど良いタイミングだと感じたので
『こんにちは。西洋医学的には、もうおばあちゃんにはしてあげられる積極的な治療がなく申し訳なく思っております。ですが、気功とか霊気といった東洋医学的な代替医療についてはやってみてもいいかなと思っておりまして、私は、そう言ったことができます。
生体エネルギー治療という方法です。そして、実は入院されてから少しした頃から、ずっとエネルギー治療を朝夕に30分間ずつさせていただいております。これからも、続けてみたいと思っておりますが、よろしいでしょうか?』
すると、ご長男さんが意外なことを言われ出したのです。
「そうですか。不思議ですね。私の父親は、手かざしというのでしょうか気功というのでしょうかそう言った不思議な力で近所の人の痛みを取ったりということをしていました。ですから、是非、お願いいたします。」
さらに、「そういえば、入院してから最初は症状がどんどん悪化しているように見えておりましたがそのうち、少し落ち着いてあまり悪くなっていないように感じてました。」
と皆さんがおっしゃられました。私は、本当に不思議なことがあるなあと感心すると同時に
やはり宇宙根源(神)は見ている私の後ろにその存在を感じたのでした。
そのことに勇気を得た私は、
『ついでですので、肩こりや腰痛などの痛みがありましたらここで、エネルギー治療の実践ということでやりますよ。』
と申し上げました。そして、ご長男さんの奥様と長女さんの肩こりと腰痛を軽くしてあげて差し上げました。その日以降毎日、朝夕30分間ずつのエネルギー治療が、誰にも遠慮することなく実施するようになったのでした。
それは、病棟の看護師さんや看護助手さん、看護師長さんすべてのフタッフに見られようが
お構いなくやり続けました。30分間は、私にとってはそれほど長い時間ではありませんでした。意識をそれだけ集中していたからかもしれませんが。大部屋にいた時には意識を集中したかったのでカーテンを引いておりましたがスタッフが処置のために入ってきても私はエネルギーを通し続けていましたら
スタッフは、
「あっ、すみません。。。」
と言って、遠慮して入ってこないこともありましたが、私の意識のタイミングによっては
『ああ、遠慮しなくていいですから処置を先にどうぞ。』
と促す場面もありました。こんな日々が、しばらく続いておりました。
確かに、右片麻痺は少しずつ進行していたようでしたしやがて、失語症も進行して言葉を発することはなくなっていきました。それでも、私の思い、意識は
『天の神々、お願いします。この脳腫瘍、消えろ!』
と、毎回エネルギーをばあちゃんの魂に届けていたつもりでした。1か月、2か月と過ぎていきました。だんだん、開眼が見られなくなっていきましたが、それでも、不思議なことに私がエネルギーを通していると何の前触れもなくぱちっと両目を見開く事が何度もありました。
エネルギー治療は毎日の朝と夕の30分間実施
私のエネルギー治療は毎日の朝と夕方30分間実施されました。
これが、私の病棟回診のパターンとなっておりました。
入院して2か月が過ぎた頃開眼の頻度も次第に少なくなっていきました。
この頃のMRI(FLAIR)画像が以下の如くです。
腫瘍が次第に大きくなってきており食事の経口摂取はできないためすでに経管栄養になっておりました。ご家族からもう一度家に連れて帰れたら。。。というご希望を聞きましたので、なんとかしたいとずっと考えていました。
そこで、ご家族に
『私が、家まで車でついていきますから是非、もう一度だけでもご自宅に返してあげましょう!』
そうご提案いたしました。
ご家族は、不安そうでしたが
『私が、おばあちゃんの乗った車の後ろからお家までついて行って家に入って落ち着くまでいますから、帰りましょう! 大丈夫ですよ。』
と言って、半分強引に申し上げました。
私の当直明けの日曜日を選んで、午前中に出発して夕方に帰る計画を立てました。
ちょっと心配だったのは全身けいれんが起こることでした。
その日、介護タクシーをチャーターしておばあちゃんをのせました。
ゆっくりと走っていただくように指示して、私は自分の車で後からついていきました。
ご自宅まではゆっくり走って約30分くらいでしょうか。無事に到着して用意された布団に寝かせてあげました。特に問題なく帰れました。割とよく開眼もされていたと思います。
この家で、元気に過ごされていたおばあちゃんの姿を思い浮かべてみました。
ご家族ともう一度、楽しくお話できたり、楽しく食事ができたり、お孫さん達と過ごすことができればいいのに。。。と、部屋を見回しながら私は、ぼーっと考えていました。
そして、エネルギーをしっかりと通して、しばらく様子を診て落ち着いているのを確認しました。
ご家族にお願いしてその場を去りました。
何かあった時には私の携帯に電話連絡をいただくようにいたしました。
その日は、ずっと気になってましたが特に連絡は入りませんでした。
夕方、無事に病棟に帰ったことをご家族から連絡をいただきほっと安心いたしました。
入院してからどんどん悪くなっている様子を見られていたご家族はもう、家には帰れないと覚悟をされておられたようでしたが今回、ご自宅に帰ることができ大勢のご家族、ご親戚にご自宅で会うことができて本当によかったとおっしゃっていただきました。
何も起こらなかったことを天の神々に感謝いたしました。
できることならこの悪性グリオーマも消えてくれないものかと毎日のように思っておりました。
今回は、エネルギーを通している時に私の両手にはどのような感性を感じていたのかなどについてお話しする予定でしたが、時間切れとなりましたので申し訳ありませんが次回ということにさせてください。
エネルギー治療の実際
さて、少し間が空きましたが悪性グリオーマのおばあちゃんのお話の続きをお話しいたします。開眼する頻度はかなり少なくなりましたが私はいつもと同様に毎日朝夕にエネルギー治療を30分ずつ実施しておりました。
この悪性グリオーマは左前頭葉を中心に広がっています。私のエネルギー治療において、どのような方法で実施しているか簡単にご説明しておきます。
このブログでは書けない詳しい内容はメルマガの方で解説していく予定ですので
このブログの最後のところにもある
メルマガ読者登録
から登録しておいてください。
現在、メルマガの準備中です。
毎日、まず最初に全身のスキャンから開始して、感性の強い部分を探します。日によって微妙な違いがあります。一番強いのはもちろん腫瘍の存在する左前頭部です。
ここに手を持ってくるとモワッとした湿りっけのあるような感じとその中にビリビリとした嫌な感じが継続します。これはエネルギーを通している間ずっとしています。
この感性は非常に強く感じられるので目をつぶって、おばあちゃんの上半身をスキャンしても必ず左の頭部のところがどこにあるのかを言い当てることが可能なくらいです。
手を広げてからだから一定の距離を離してスーと空間を撫でるようにするだけで左前頭部の位置でその嫌な感性を捉えられるのです。
この感性は、毎日感じられましたが日によって、少し強かったり弱かったりと言うことは多少ありました。
その他には、心臓には頻繁に強いピリピリとした神経系の感性(*自律神経系の異常がある時に出現する)を感じることは多かったと思います。
すでに、入院してから4ヶ月ほどが経過していましたが思った異常に呼吸も安定していました。ただ、この時期になると右半身にけいれんを起こすようになってきました。
特に右顔面と右上肢です。これは、腫瘍の存在する部位に関係しておりましてちょうど腫瘍のある場所が右の顔面と上肢を司る領域に近いためその刺激が脳細胞の異常興奮をきたしてんかん発作を起こしているのです。こういうてんかん発作を二次性てんかんもしくは”症候性てんかん” と呼びます。抗てんかん薬を使用することにしました。もちろん、エネルギーも併用してのことですが、最小限の薬とエネルギーの使用でけいれんはうまくコントロールできておりました。
しかし、画像上は残念ながら腫瘍はどんどんと大きくなると同時に左から脳梁を伝わって右前頭部へと腫瘍が浸潤していってます。また、脳室の壁を伝わって脳室のあちこちに浸潤転移して行っております。
次第に呼吸が弱い時が目立つようになりました。
脳腫瘍の末期においては脳圧が上がりますので血圧も上昇し脈拍が少なくなり呼吸不全が出現します。
これを”クッシング現象”と呼びます。
私が、学会などで出張して留守にしている時が一番心配でした。
もういつ呼吸状態が悪化して停止してもおかしくない状態が続いていいたからです。
それでも、私が病院を留守にするときには不思議と何事もなく経過してました。
そして、入院してから5ヶ月も過ぎ3日間学会で留守にして帰ってきた日曜日の
私の当直の日朝から特に呼吸状態も特別悪いと言うことはなかったのですが私が
当直であることをおばあちゃんはまるで知っていたかのように静かに息を引き取
りました。
亡くなられた後私は、そっと頭に手をかざしてみました。
腫瘍のある部分にはまだ、強いあの感性が漂っていたのには驚きました。
果たして、亡くなられてどのくらいの時間が経てば感性が消えていくのかは謎です。
私の当直をする日に私が主治医の患者さんが亡くなることが本当に多いのは不思議なことです。
こうして、入院から死亡まで予想以上に永い経過でありました。
それは、エネルギー治療をさせていただいたからなのかもしれません。
その間には、本当にご家族といろいろなお話をさせていただきました。
そして、いろいろな貴重な経験をさせていただきました。
これもこのおばあちゃんからいただいたご縁だと思います。
本当にありがとうございます。
私の医師人生に忘れられない記憶となったおばあちゃんでした。
コメント